[koreal雑感]会社は戦争、社会は地獄…韓国男性が働くということ(SBS新年特集「父親の戦争」)

SBSスペシャルの新年特集は「父親の戦争」ということで、韓国男性の働くということについて、父親と子供との関係について、スウェーデンやドイツの働き方を取材しながら、韓国の現状を紹介するドキュメンタリーが放送されました。






3回に渡って放送されたこのドキュメンタリーは、1回目は、「韓国の会社の現状」2回目は、「韓国の父親と子供の関係のいくつかのケース」、3回目は「海外(スウェーデン)の育児休暇制度とドイツの働き方」を紹介していました。

1回目では、「父親たちが、定時に帰りたいと上司に言ってみたらどんな反応をするか?」「会社で中間管理職を定時に帰るよう命令したら、どのような変化が起こるか?」というどっきりカメラをしていました。

一つ目は、みんなそうやって子育てしてきたからどういう状況下は理解するがだめだと言われるパターンと、下手に下手に出て、ほかのチーム員と話し合う必要はあるけどOKを出すパターンでした。どちらにしても、韓国では日本以上に残業するということが当然だし、定時に帰るということが難しい現状があるようです。会社への所属期間が長く、責任がある位置にいればいるほど、帰る時間は長くなっていくのが(当然とは言わなくても)避けられないと考えているようです。

二つ目は、仕事は定時に帰れるのだけど、ちゃんとそれを守るかどうかということをカメラが入ってみるというものです。家族にもこの企画を説明し、夫がちゃんと帰ってくるか、奥さんにもインタビューが入っています。この二人は会社の中でも残業が多い二人だそうで、定時に帰れるとなっても会社中に挨拶をし、初日を終え家に直行しました。

母親「こんな風にお父さんが早く帰ってきたらうれしい?」
息子「うん」
母親「でも、そうやってたらお父さん仕事なくなっちゃうよ~。」

この短い会話に、韓国の闇を見た気がします。

結局このお父さんは、定時に帰るために朝始発で会社に行くことにしました。仕事があるのに定時に帰るためにはそうしなきゃ、と。また部下が残業しているのに帰るというのは、精神的にきつかったということです。


2回目は「父親と子供の関係」という主題から韓国男性の働き方を見てきました。3人のお父さんが7時に家族とご飯を食べようという企画です。1人は娘との会話が無い会社員、2人目は社会人野球や飲み会を楽しみ3人の子どもの面倒や家事は女の仕事!言う父親、3人目は中古品買取販売をしながら自営業を行う父親の姿を描いていました。

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1人目の父親は娘との時間を持ちたいけれど、娘のほうが心を閉ざしてしまっているパターン。インターナショナルスクールに入ったのにいじめられていたことを父親に相談したら、いじめられてないで勉強に集中しろといわれ、自分の味方になってくれなかったと壁を作ってしまったようです。しかし、7時の夕食を続けていき、専門家との対話によって娘自身も自分の悲しかったことを語ることで、父親との壁を少しづつこわしていき、父親もまた、娘と正面から話せるようになっていきました。確かに、時間はかかったし、娘もつらかった部分はありましたが、それでも、最後にはお互いの悲しかったこと苦しかったことを話せ、雪解けしたかなと思いました。

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2人目は、奥さんも子どもを持ちながら、ネイルの勉強をし、自分で店をし、働く共働き夫婦。でも夫はゴミ捨ても絶対したくない!面倒も見たくない!おれだって会社でやっていくのに飲み会は必要だ!というパターン。奥さんがネイルショップ以外での仕事でどうしても夜に出かけたいということで、一晩だけ子供たち3人を面倒見ることになり、やっと奥さんの大変さに気づいたということです。6年間一度も一人で子供の面倒を見たことが無かったのいうのですから、奥さんが腹を立てるのも無理はないかなとも感じます。

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3人目は、仕事中毒パターンで、7時に帰ってきても、携帯電話は握りしめたまま、食べながら仕事の電話があれば、夜中でも走っていきます。このパターンが一番厄介で、承認欲求がお金になってあらわれるため、家族たちにいい生活をさせるためだといわれるとどうも否定しずらいのです。このお父さん自身が小さいころに経済的につらかったから、自分ももうそんな目にあいたくないし、子どもたちにも会わせたくないというと、中毒的に働くということがなんとなくいいことのように思えてきてしまうのです。子どもたちが食べたいものを食べ、買いたいものを買っていれば、自分はいつも同じ服でも満足、幸せ、ということで幸せは感じているんです。





3回目は海外の話なのでここではしませんが、結局海外の制度が韓国に入ってきたとしても、一番の問題は何のために韓国人がそんなに働いているかということ。子どもにいい教育を受けさせるためであり、番組では言われていないけど、それが自分の地位上昇であり、老後にもつながるわけです。韓国は老後の面倒を子供が見るので毎月子供にお小遣いを送れと言う上の世代も想像以上に多くいます。収入が少なく、子どもを塾に行かせる金がないとなれば、夜アルバイトに出るのが当たり前だと感じる韓国のお父さんの「責任感」は本当に重いのです。

ここに出てきたお父さんたちはそこそこにいい給料をもらっているし、自営業の人も、ひたすらにお金を追いかけその努力は怠っていないわけです。そういうハングリー精神は、食えなかった時代を経験している40代後半から50代までがかなり強いでしょう。

そういうハングリー精神が子供たちを寂しくさせ、「少しぐらい収入は少なくてもいいから私のほうを見て!」というのが子どもの本音だったりします。お金を渡してもそれは伝わるものじゃないんでしょうね。





韓国男性の承認欲求が金という形であらわされる限り、韓国男性特有の責任感の強さと相まって、代行タクシーの副業にも行き現金収入を持ってくることで、父親自身の満足度は高いのでしょうが、育児に父親を慕える時期というものがあってそれを逃すと取り返すのが本当に大変になってしまうものなのだなと感じました。そしてその親との距離感が知事まらない上に、年上や親には逆らえない儒教思想が加わり韓国の親子関係をより難しいものにしているのだろうな、と感じました。

ここに出てくるお父さんたちはお金を持ってこられて、自分の満足度は高いですからぜいたくな悩みです。自己肯定感すら薄い若い子たちはどうすればいいでしょうか…それはまたの機会に。






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