第12話まで放送された韓国ドラマ「秘密の森」!面白さの秘訣は?:木を見て森を見ようとするファンシモク(視木)検事の冷淡な表情の中にある正義への思い

現在まで2名の被害者が出ていますが、推理ドラマにありがちな、過度な殺人や残忍な描写によって視聴者を引き付けるタイプのドラマではありません。毎回少しづつ謎が明らかになっていくのが見ていて苦しくなく、主人公チョスンウが演じる検事ファンシモクが段階を踏んで謎を解いていくのを後追いしている感じで次を期待させるのが実にうまいな、と感じれるドラマになっています。また、ドラマを取り巻く警察の不祥事や未成年者の性接待など、現実社会で起これば確実に問題になるようなことが盛り込まれてはいるのですが、綿密な推理の過程にすっかりのめりこんで時間を忘れて見れるドラマだなと思います。





登場人物紹介はチョスンウ・ペドゥナ出演「秘密の森」映画のような展開に見るしかないドラマ!こちらをご覧ください。
 

私個人では、今まで放送された分のドラマの楽しみがきちんと整理できないので、ここはハンギョレ21の力を借りて、ドラマ「秘密の森」の魅力を探っていきたいと思います。

 

以下、ファンジンミ大衆文化評論家のドラマの論評です。

 

 

 

ドラマの中設定で最もポイントになるのが主人公が感情を感じないということ。

感情が無いということは一種の障害であるのだが、公正な捜査に集中する検事の仕事には有利に働いているようである。

シモクは印象であったり直感、常識には左右されない。すべてを疑い合理的に物事を判断しようとする。シモクの後輩であるヨンウンスはシモクに対して微妙な感情を持ちつつも、心の中を打ち明け、調査に協力すると言った。しかし、そんなウンスをシモクは何の感情もなしに疑い続ける。また、青瓦台の事務官になった元検事長に対しても露骨に疑いの目を向ける。人間味や常識と言うものが欠如し、敵も味方もない彼の設定は今までのドラマの設定ではなかなか見ることのできないものであった。

 

今までの韓国ドラマと言うものは専門性が無いものが多かった。メディカルドラマは医者の恋愛話であり、法廷ドラマは法曹の恋愛物語だというように専門性を生かせないものが多かった。しかし、ファンシモクには恋愛の入る余地が無い。検察も警察も信じることのできない状況で唯一助け合えるペドゥナ演じるハンヨジン刑事と無味乾燥な交流が時々描かれるだけである。


 

ドラマ秘密の森からは、既存の韓国ドラマの文法と絶縁し、専門性が高い純粋な推理ドラマを作ろうという意思が感じられる。すべての登場人物の行動が疑わしく、同時に理性的に説明され、プロットが緻密である。また警察と検察の関係や捜査方式が忠実に再現されアメリカドラマを見ているような快感がそこにある。

 

韓国ドラマや韓国映画と言うのはむしろ感情の過剰さによって視聴者のめを引き付けてきた。感情が過剰なほうが、正義であり、冷酷なサイコパスが正義を妨げるという構造が過去には見られたが、秘密の森は違う。むしろ感情が無い主人公に正義の現実化の機会が与えられている。犯人は明かされてはいないが検察組織は不正にかかわっている。イジュンヒョク扮するソドンジェは嫉妬、憎悪、復讐、野望、恐怖などの感情が渦巻いており、窮地に追い込まれると家族を盾に助けを求める。この逆転は重要である。熱い気持ちが正義ではなく、そのような感情の持ち主が集まり不義の構造を作ることもあるのである。





ドラマは検察組織の不正にスポットを当てる。一人二人の検事がわいろを受け取ったという話ではない。殺されたパク社長は「数多く接待を行ったがそれを断ったのはたった二人だ」と遺言のように言い残している。接待は日常にある。たった一度、ご飯を一緒に食べたことから未成年者の性接待まで、これらは一連のできごとだ。検察と警察の間にけん制があるわけでもない。検事長とヨンサン警察の所長が友人関係であり、同じ少女から性接待をうけていたというのは二つの組織が双子であることを表している。このように穢れた組織においてファンシモクとハンヨジン刑事の二人だけが不正に立ち入らなかったというのは、感情が無い人や女性と言う理由で男性の連隊に入れなかった人だけが根深い敵と距離を置くことができたことを意味する。

 

ファン検事とハン刑事は冷静に巨大な不正に立ち向かう。検察と警察の内部で消されてしまうようなことをマスコミを利用し暴露し、人権蹂躙については妥協や強硬手段を取らずに人権団体を通じて迂回的に暴露をする。これは未熟な正義感や情熱ではなく、冷静でありながら非妥協的に韓国社会の悪と戦うための模範的な事例である。主人公の名前はシモク(視木)。 木を見なければ森は見えてこない。木を見て森を見ずと一般的には言われるが、木を深く観察し木と木の関係を推測する過程で森の全体像を順に見ていこうとする。人が生きる社会では厚い兄弟愛と言うものがむしろ敵の本当の姿であるかもしれない。

なんといってもチョスンウの演技が安定していて安心してみていられますね。ペドゥナの演技もとても誠実な性格が伝わってきます。(とかって実は犯人とかだったらコワい!やたら自分は信じていい人間だとかいうのが不安にさせます。自分で信じていいとかいうやつは絶対信じないほうがいい、と、セリフにひやひやする。)まだまだ謎が謎を呼ぶドラマですが、最後まで伏線を拾って謎解きを楽しんで見ていきたいです。

 





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