男子校の卒業写真で棺桶ダンスの黒人扮装は人種差別?!

若い世代に人気のtiktokやtwitterなどで、2020年の春ぐらいから、動画のオチとしてはやった、ガーナ人の棺桶ダンスです。この流行は日本だけでなく全世界的なもので、死を連想させるようなオチにこのダンスの動画が使われました。韓国のyoutube動画でもミームとしてよく登場する動画の一つです。

卒業写真が毎年独特のコスプレや扮装で撮影されることで有名なウィジョンブ(議政府)男子高校で2020年度の卒業写真として棺桶ダンスが登場し、人種差別ではないかと各種掲示板やネットニュースをにぎわせています。

ガーナの棺桶ダンスは、死者を死後も楽しく過ごせるようにと願いを込め葬儀の際に踊られるダンスであり、決してふざけたものではありませんが、若者にとっては死というものを軽く連想できる動画として、大きな人気になりました。(BBCニュース

BBCニュース動画キャプチャ

韓国ではガーナ出身の芸能人であるサムオキアが、インスタグラムでいち早く不快であると意見しました。「文化をまねてみたいと思うのはいいけれども顔を何で黒くする必要があるのか。……. 機会があるなら一度話してみたい。」そういいます。

人種差別問題が出ると、韓国の外国人系芸能人は左派的な意見表明をすることが多いように思われます。そっちのほうが、人種差別を許さない善い人に見えるからです。(右派に対する道徳的優越感という言葉でよく表現されます。)オキアの発言が人気集めのための発言であるとは言いませんが、当事者が嫌だと言っているのだから、黒人のまねは一切許されないというのも違うと思います。

人種差別というときに、直接的表現ではなくても劣っているとか、外見を強調するのは差別だとは思いますが、今回のはリスペクトが感じられてとても格好いい表現だと思いました。個人的な意見ではありますが、黒人音楽のラップが好きとか、やっぱり肉体美が素敵だな、などという脈絡の一つで、棺桶ダンスの服装やダンスにかっこよさを感じたからこそコスプレをしようと思ったのではないかと感じられるのです。死というものを悲しいものとしてうけとらないようにする文化の違いや、ダンスのかっこよさがあったからこそ若者の心をつかんだんだと思います。ここまで難しく考えていないとしても、何かフックがあったからこそ若者の心をつかんだんじゃないかと思うのです。そこには差別というよりぼんやりとしたあこがれがあるんじゃないか、と感じたのです。

オキア自身も、この子たちと話してみたいと言っているのを見ると、ただ否定しているだけではないのかな、という気もします。高校生の卒業写真でここまで衣装を合わせて、化粧も丁寧にしてというのは簡単ではないはずです。黒人の中でもこれは嫌だ、別にいいという感じ方がいろいろあって当然でしょう。高校生の彼らを思想的に攻める道具として使用しないでほしいなとは感じる一件ですね。

韓国では、黒人に対する表現として否定的なもの(니거, 깜둥이)も確かにありますが、リスペクトを含めて称する単語(흑형)もあります。この単語で呼ぶとき、肉体的に優れていたり、自分たちにはない音楽や感覚に対するリスペクトが含まれているといえます。韓国において黒人に対する差別的な視線が全くないわけではありませんが、尊敬や羨望という視線もまた存在しているわけです。ラップやスポーツなどの黒人文化へのあこがれの表現を差別だと断じてしまうのは少しもったいないかな、と思いました。

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