韓国不動産政策のジョンセ市場に与える影響 家の保証金が受け取れない!?結局市民を苦しめる政策になる

韓国の住宅のヒエラルキーは一番上がアパート(日本でいう高層マンションが何棟も立っているところ)次にヴィラ(だいたいが5階くらいまででエレベーター無し)その次に多世帯住宅(日本で言うアパートのように大きい建物にいくつかの部屋に分かれているもの)と簡単に言うとこんな風に分かれています。韓国政府は、特に都市部でのアパート価格の上昇率が大きく、市場の過熱を抑えるために様々な政策を続けざまに発表していますが、売買の際の貸し出し条件が複雑化し、結局家を本当に買いたい人々の首を絞める政策になっているのではないかと批判があります。

今回KBSが指摘している問題は、不動産政策や、コロナの余波によってお金を家主に預けているジョンセ保証金の回収が難しくなるのではという内容のニュースです。ジョンセというシステムも不動産価格の上昇と連動しているので、システム自体に手を入れてしまうと市民にシステムのほころびのしわ寄せがきてしまいます。

アパートの価格上昇を抑えるために、アパート購入のための借り入れの制限と、いくつもの不動産を保持する人々への課税を増加させることで、アパート投資を少しでも抑えようとするのが現政権がとろうとしている政策ですが、そのせいで、ジョンセという韓国独特の住環境が打撃を受けています。

ジョンセとは、まとまった金額を家主に預け、家主は銀行からの利子を受け取り、借主は銀行に利息を支払うというシステムです。利息支払いが結局月々の家賃のような役割を果たします。ジョンセのための借り入れは、審査が一般的な借金に比べ緩やかです。この制度は、家主がジョンセ保証金に手を付けてしまったとしても不動産を売り払うことで保証金を借主に返すことができるシステムです。しかし、最近ではジョンセ保証金がアパート価格に連動し上がりすぎてしまったせいで、ジョンセ保証金ほどの売買価格にならず、保証金を受け取れなくなるケースが出てきているというのです。アパート価格の上昇に連動して、ジョンセの時価もあがっています。実際売買するのと変わらない程度まで上がってしまっているというのです。それならはじめから購入してしまえばいいと考えそうですが、アパートを購入するほどのまとまったお金が無い場合はやはりヴィラや多世帯住宅のジョンセを探す順位が高くなります。その部屋が購入できるぐらいのジョンセ保証金を出さなければいけないほど、ジョンセ市場も影響を受けているのです。(そして、そもそもジョンセの部屋は消え去り、家賃形式の不動産が増えました。)この保証金は、保証金返還が難しくなった場合、住宅都市補償公社という公的機関から保険支払いがされるのですが、その支払額が前年に比べ3倍に増えているということ。つまり、ジョンセの価格が本当の不動産価格とマッチしていない場合が増えてきたというのです。

不動産取引を政府が引き締めるせいで、不動産市場でジョンセの流通が少なくなり、ジョンセ価格は自動的に上がっていきました。ジョンセ金も大きな金額ではありますが、アパート購入には足りない場合、購入までの段階として家をジョンセで借りるというのが新婚世代や一人世帯の典型的な住環境だからです。しかし、不動産価格が上がっているからとジョンセ金も上がったにもかかわらず、アパート価格の上昇が鈍くなれば、ジョンセ金の回収が難しくなるのは目に見えているわけです。契約更新の際にジョンセが上がるかもしれないという不安を抱えながら、そのうえに、ジョンセ金が本当に最終的に返ってくるのかどうかという不安まで抱えることになるわけですが、政府がとっている政策がこのような影響を与えることになるだろうとわかっていても、とまりません。

確かにソウルをはじめとした都市のマンション価格は日本人からしても高額に感じます。だからといって政府があまりスマートではない方法で介入することで、様々な副作用もまた生まれてきているのだと感じるニュースです。

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