[korealコラム]「まずはひとだ」と話していたムンジェイン大統領の言葉は空っぽだった

北朝鮮軍に韓国の公務員が殺害され死体も火葬された事件。正直初めてこのニュースを聞いたときもっと大ごとになると思っていました。公務員とはいえ軍人ではない民間人が北朝鮮によって命を落としたわけですから。しかし、ムンジェイン大統領は国連総会中だったこともありあまり緊急性の高い事案だとは思わなかったようです。それどころか面倒なことが起きたと思ったかもしれません。連絡が上がったのにも時間がかかりましたし、連絡が上がっても、業務予定が変更されることなく、北朝鮮へ対するメッセージもかなり遅れて発せられたように感じます。

この事件は殺害された人が自分から北に渡ろうとしたのか、故意ではないのに漂流してしまってそこを殺害されたのか詳しいことは分かっていないし、真実を明らかにしようともしてないように思います。形としては、北に渡ろうとした南朝鮮人を北朝鮮軍が誤って殺害したというのか韓国政府にとっては一番おさまりがいいので、そこに収めようとしているかんじです。

この公務員は海洋水産部所属の漁業指導船に乗っていて何らかの理由で入水し漂流後殺害されたようです。事件から一週間ほどたった29日に、海洋警察側が北に渡ろうとしたということで調査結果を発表しています。しかし、海洋警察側は北に渡ろうという「意思」を確認したのではないというのです。ただ、単純に漂流した場合とは違う方向に進んでおり、それが北側だからと北に渡ろうとしたものと判断したと言います。また、賭博による借金があったため、北に逃げようとしたとして、海洋警察は状況から「北に逃げようとした」で結論付けたようです。

場所的にも北と南の境界があいまいな場所。南北の軍事協議で、軍事対立を防止していこうと話し合いがあったにもかかわらず、軍人でない人を射殺し、死体まで毀損したというのだから、もっと反応してもいいのでは?と思わずにはいられません。殺害された公務員は丸一日以上漂流していたと言います。北朝鮮側は彼に身分などを聞いたと言いますが、漂流していてきちんと答えられもしなかったでしょう。ましてやごく普通の民間人に威嚇射撃などしたら、精神的にこれ以上混乱するところがない人間には恐怖以外の何物でもなかったでしょう。

驚くことは、韓国軍側は漂流者の情報をアメリカから受け取っていたというのです。これは、国内で報道されたのではなく海外の通信系報道各社が報じた部分で、保守系ヘラルドがまとめたものですが、射殺の可能性もあるとして警告を送っていたにもかかわらず、韓国軍側は何も反応しなかったというのです。そのうえ韓国軍は実はリアルタイムで北朝鮮側と韓国の国民が接触したのも知っていたというのです。それでも大統領まで情報が上がらなかった。殺害されるとまでは思わなかったと韓国軍の情報当局が話しているというのですから、状況がどういうものなのかわかっていないにもほどがあるとしか言えないでしょう。

22日午前には漂流していることが分かっていたようですし、23日の昼には北朝鮮側との接触があったことを軍は知っていました。夜に殺害されたことも把握していたようですが、大統領に報告が上がったのは次の日の朝だということ。24日に情報が公開されましたが、韓国軍のトップでもある大統領からは、見せるためであったとしても、北朝鮮側になにかパフォーマンス程度はするのが普通ではないかと思うのですが。ムン大統領としては23日にUNで朝鮮戦争の終結を提起する予定があったので、この事件については問題にしたくなかったのでしょうか。国民の命より、自分の政治パフォーマンスのほうが大事だったのでしょうか。「まずはひとだ。」どこにいっても色紙にそう書いていらっしゃるお方が。

北朝鮮側が国境警備が厳しかった理由はコロナの万円を抑えるために、国外流入者を殺害命令していたからだ、という指摘もあります。そのように国境警備に一貫性がなくなっているとき、北朝鮮側に侵入するという意味を軍側ももちろんわかっていたと思うのですが。だからこそ、海洋警察を投入することが南北の衝突に直結することだと思い、国民一人を犠牲にしたのでしょうか。

どちらにしても、今回のムン大統領の対応は、国民を守る軍のトップとしても失格だし、国のトップとして外交に努める大統領としても「平和と安保」という言葉を空虚にしか感じられないものにしたと思います。

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